出産後、多くのママが悩む「便秘」。産後は体の変化や生活リズムの乱れなど、さまざまな要因が重なり、便秘が起こりやすい状況にあります。この記事では、産後の便秘の原因とその解消法を詳しくご紹介します。
産後の便秘の原因
出産時に会陰切開や会陰裂傷を経験したママにとって、「いきむ」という行為が怖く感じられることが多いです。傷が開いてしまうのではないかという不安が生じ、排便時に無理にいきむことを避けてしまいます。実際、私も産後は傷が痛く、普通に座ることさえ困難でした。そのため、トイレでいきむのがとても恐ろしく、便意を我慢してしまうことがありました。しかし、便意を我慢すると便秘が慢性化する危険があるため、注意が必要です。
水分不足
母乳で赤ちゃんを育てるママは特に水分不足になりがちです。母乳は血液から作られるため、授乳のたびに体内の水分が失われます。これにより、体が知らず知らずのうちに水分不足になり、便が硬くなって便秘を引き起こすことがあります。授乳中は意識的にこまめに水分補給をすることが重要です。特に水やお茶など、カフェインの少ない飲み物を選んで飲むようにしましょう。
自律神経の乱れ
産後は赤ちゃんの世話や夜間の授乳によって、ストレスや睡眠不足が積み重なりやすく、自律神経のバランスが乱れがちです。自律神経は腸の動きにも関わっているため、そのバランスが崩れると腸の働きが鈍くなり、便秘を引き起こします。また、妊娠中に増加していた女性ホルモンが産後に急激に減少するため、体調が不安定になりやすい時期です。このホルモンバランスの変化も自律神経に影響を与えるため、注意が必要です。
骨盤底筋のゆるみ
骨盤底筋とは、骨盤の底を支える筋肉群のことで、腸や膀胱、子宮などの臓器を支えています。妊娠中はお腹が大きくなり、この筋肉に大きな負担がかかります。そのため、産後はこの筋肉が緩んでいることが多く、便を押し出す力が弱くなってしまいます。これが原因で便秘になることがあります。
直腸瘤
直腸瘤とは、直腸が腟の方向に膨らむ状態を指します。これは、出産によって直腸と腟の間の壁が弱くなり、便が溜まりやすくなることで起こります。この状態では、いきんでも便が直腸瘤に留まってしまい、排便がスムーズに行えなくなります。直腸瘤が原因で頑固な便秘に悩まされることがあるため、排便時に腟に違和感がある場合は注意が必要です。
痔(いぼ痔)
妊娠中は大きくなった子宮が肛門周辺の血管を圧迫するため、痔になりやすいです。特に、出産時のいきみによって痔が悪化することが多く、これが痛みを伴い、排便を我慢してしまうことが便秘の原因となります。もともと痔があったママは、出産後に症状が悪化することがあるため、適切なケアが必要です。
産後の便秘はいつまで続く?
産後の体は大きくダメージを受けているため、産後約6〜8週間の「産褥期」には特に便秘が起こりやすい状態です。この時期は、体の回復を優先し、無理せずに休養を取ることが大切です。産褥期が過ぎると、徐々に体力が回復し、便秘も解消されることが多いですが、それまではこまめな水分補給や食生活の改善、適度な運動が重要です。
また、産後の食生活の乱れも便秘の原因となることがあります。赤ちゃんのお世話に追われる中で、自分の食事をおろそかにしてしまうことがあるかもしれませんが、栄養バランスの取れた食事は、便秘解消に大いに役立ちます。
産後の便秘解消法
水分をたっぷり摂る
食物繊維を意識的に摂取する
食物繊維は便通をスムーズにし、腸内環境を整える効果があります。不溶性食物繊維(豆類、穀物、野菜)と水溶性食物繊維(海藻、果物)をバランス良く摂ることで、便秘を予防できます。
食物繊維を意識的に摂取する
排便のリズムを整えるために、毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。便意がなくても座ることで、自然と排便が促されることがあります。
骨盤底筋を鍛える
産後の便秘解消には、骨盤底筋のトレーニングが効果的です。簡単なエクササイズで骨盤底筋を鍛えることで、腸の働きが活性化し、便秘が改善されます。
骨盤底筋トレーニングの方法
- 仰向けになり、骨盤底筋を意識します。椅子に座った状態でもOKです。
- 排尿を止めるような感覚で、肛門と腟を締めます。
- その状態を5秒キープし、緩めます。これを1セット10〜15回、一日3セット行います。